自分の文通歴を振り返る

そういえば昔、色んな形で文通してたな。
反省も兼ねて、思い出を振り返ってみる。

【①保育園時代】
保育園で一番仲良しだったMちゃんが、文通をやろうと誘ってくれた。
私には最初、文通というものがどういうものか分からなかった。
Mちゃんは、お姉ちゃんが二人いたので、私から見るとMちゃんは大変な物知りだった。

長子で姉妹のいない私に、女の子の文化を教えてくれたのは、間違いなく両親ではなく、姉のいる同級生たちだった。

初めてのお手紙を受け取って、とても嬉しかった。
ほどなくして、彼女のお姉ちゃんからも受け取ったように思う。
別の友達からも、手紙を受け取った。
ホクホク気分だった。

何通かお手紙を受け取ったあと、
「はるみもお手紙書いてよ」と言われた。
私はポカンとした。
そう、お手紙のお返事は、お手紙で返さなければならないということを分かっていなかった。

毎日保育園で会って遊んでおしゃべりしてるのに、紙に言葉を書いて渡すのって不思議…なんて思ってる場合でない。
もらったらお返事しなきゃいけないらしい。友達を傷つけちゃいけない。

私は弱った。
字は読み書きできるけど、彼女たちが持ってきてくれたような、可愛い絵柄の紙や封筒を持っていなかった。
どこに売ってるかも知らなかった。いや、店に売っているものだということすら知らなかった。知ってたら、母にせがんだはず。

友達との約束を果たすために、どうやって手紙を調達しようかと必死だった私は、母に相談することさえ思い至らなかった。
何をしたかというと…彼女たちからもらった手紙を、一生懸命、消しゴムで消して、再利用したのだ。(当時の友達はみんな、鉛筆で手紙を書いていた。)


受け取った友達が翌日、落胆した声で、「あげた手紙を消さないで…便箋を持っていないなら、分けてあげるから…」と言っていたのを覚えている。

今思い出しても自分の奇行に苦笑いしか出てこない。
友達を傷つけたくないと考えていたはずなのに、消す行為を、指摘されるまで全く罪と思っていなかった。園児って怖い。
私を寛大な心で許してくれた親友に感謝。


【②小学生~中学生】
上記①の延長で、同じ学校の友達と、よくお手紙交換していた。

小学3年生くらいの頃、1人、特別な文通相手ができた。
父さんの会社の同僚の人の、娘さんだ。
同い年の女の子で、県内の別の学校に通っている。

きっかけはよく覚えていない。
父さんたちがお互いの娘が仲良くなってほしいと思って始めたことなのか、彼女がやりたいと言い出したのか…。

その子との文通は、父さんたちの会社の社内便を利用してやり取りされた。
きっと、ファンシーなレターセットを、目立たない茶封筒に入れて、2つの事業所を行き来していたに違いない。

切手は貼らないけれど、2週間に一度ずつくらい、手紙のやり取りをしていたと思う。

あと、色んなシールやメモといった、毎回「オマケ」が入っていて、とても嬉しかった。
私もマネをした。そのうち、オマケ用のためにメモ帳やシールを買うようになっていった。封筒に入るくらいの小さいサイズのものだ。大量の可愛い文房具は、女子社会の中で生きていく通貨のようだった。


【③中学一年生】
自分が中1になったころ、小学生新聞の文通相手募集コーナーに、ポケモン好きな小6の男の子のことが載っていた。
当時、ポケモンは絶大な人気を誇っていた(とファンの私には感じられた)けれど、意外と文通募集欄には、ポケモン好きの人は掲載されてなかったと思う。

彼の募集を見て、この子だ!と思い、自分はもう小学生じゃないけど、ポケモンがとても好きだから、ぜひ文通しよう、と手紙を送った。

きっと一度にたくさんの申し込みを受けとっているだろうから、自分を選んでもらえるように、①いっぱいイラストを描く ②持っていたシールをおまけで入れる ③初回返信用の80円切手を入れる など、自分が思い付く限りの工夫を凝らした。

その甲斐あったのか、彼から文通しましょうと返事が届いた。
とても嬉しかった。会ったことのない人からの肉筆って、有名人からの手紙と同じくらいの威力を持っているように感じられた。
その後、ポケモンについて毎回お互い、好きなことをいっぱい語った。
一年くらい続いて、少しずつ返事の間隔が延びていって、自然と文通が終わった。


【④中学~高校】
この頃にはアニメ雑誌を買って、同人の世界を知り、地方のコミケに行ってみたりと、オタク街道を歩き始めてた。
そうして手紙を書く頻度は更に上がっていった。
好きな同人作家さんが新刊を出せば、購入のために手紙を書いた。
受け取った漫画の感想も送った。
自然とそこから文通のようなものが始まった。

また、買い溜めた同人便箋を使って、学校のオタク仲間と手紙やイラストをやり取りしまくった。
学年の5人の子と、B5サイズの便箋を一人辺り5枚くらい書いていた。
お互い2~3日に一回返事を渡してたので、私は週に10回分xB5 5枚の量の手紙を書いていたことになる。
封筒は、細長い長4の茶封筒をボロボロになるまで使い回して使ってたなぁ。B5の便箋を四つ折りにすると丁度良く収まるの。
更に、同人便箋って、とってもお絵描きしやすい紙質をしてるのよね!!
一番最後の紙以外の便箋の裏には、鉛筆でみっちりお絵描き描いてた。自分でも驚く情熱。熱意。
というか勉強しろよ。

夜中まで机に向かってた私の背中を見て、弟は私が勉強してると勘違いしていたほどらしい。(誤解は5年以上、解かれなかった。)



振り替えってみると、私のお手紙を書くスキルって、こうやって磨いてこれたんだなぁと感慨深い。
とにかく頭をよぎった話題は書き留めておくとか、適宜相手に質問を投げるとか。自分の素直な言葉で自分の気持ちを表現するとか。
いや~、やってて良かったなぁ。